マッコウクジラ
京都旅行の3日目の日記を書こうかと思っていたのですが、土曜日に仕事が終わって、いざ帰ろうかという時に何気に開いたスマホのニュースに、『南さつま市にマッコウクジラ6頭が打ち上げられる』のタイトル
好奇心に取りつかれてしまった二人組で、見に行ってきました
場所は、金峰町の上ノ山海岸…
吹上浜の一部だろう事は分かったのですが、初めて聞く名前の海岸で…
農作業中の地元の方などに場所を聞きながら、何とかたどり着くことができました。
車を停めた、南薩少年自然の家の駐車場から砂浜へ降りて歩くこと30分ほど…
遠目に、人だかりと横たわる黒い塊が見え始めて…
近づいてみると、その大きさに改めてビックリ
体長8~10メートルと聞いてはいたけど、間近で見ると本当に大きかったです。
6頭のうち、この子だけは虫の息で、苦し気に呼吸している様子でした。
私たちが着いた頃が、ちょうど干潮時間だったようで、それからすぐに潮が満ち始めて…
よく見ると、鹿児島水族館の職員の方と長崎大学の学生さんたちが、横たわるクジラの下アゴの部分をノコギリで切っている…
何をするのかと聞いてみると、明日の朝には海洋投棄する予定とのことで、潮が満ちてくる前に、下あごの部分だけを切り取って、年齢や死んでしまった原因などを調べるそうで…
切り取られた部分から出る血で、水たまりは真っ赤に染まっていました…
本来はチェーンソーなどで切り取るそうなのですが、急だったためノコギリしかなく、そのノコギリで太い骨なども含めて全力で切り取っているとのことでした
脂肪分も多く、刃こぼれして中々うまく切れず、男性でもかなりの力が必要だったようです。
下あごの部分だけとはいえ、かなりの重量があり、体の大きな男の人がやっと担ぎ上げることができるほど…
40~50Kgほどの重さがあるかも…、との事でした。
持ち帰った下あご部分から、歯の断面を見て、だいたいの年齢が分かるそうですが…
素人の私たちには分かるはずもなく…
この『歯』、大きさを比べるための比較するものを持っていなかったので、写真だけでは分かりにくいですが、15センチくらいの長さはありました
この大きな歯で、イカや魚などを捕まえて食べているそうです。
少し離れた波打ち際に目をやると、血や死臭を嗅ぎ付けたカモメさんたちが集まり始めていて…
彼らにしてみれば、生きていくうえで必要な食べ物ではありますが…
自然界の厳しさも、垣間見たような気がします。
翌、日曜日の朝、全てのクジラが死んでいることが確認されたようですが…
最後まで生き残っていたあのクジラの苦しそうな息遣いや様子が思い出されて…
安らかに…と、思わずにはいられません。
あまりに体が大きすぎて何もしてあげられないことが歯がゆく…
自然の前では、人間は本当に非力だな…と、思いました。
滅多にない機会だと思って好奇心に身を任せて見に行ったけど、何だかやるせない気持ちで一杯になりました…
まだまだ分からないことが多いクジラの生態を調べるためにも、この子たちの死を無駄にすることなく、研究をして欲しいと願わずにはいられません。